09 March 2017

イノベーション:税務の破壊者たち,を読んでみた

EY Tax insightsのこのサイトで3回連載だった。
「世界市場のスピード」
「税務当局による税のデジタル化」
「スマート税務」
というキーワードでもって,企業の税務部門が直面する大きなうねりを指し示している。

はじめのふたつはすぐにわかる。「スマート税務」は,人工知能などを利用してリアルタイムで将来を見通したもの。連載2回目には
一部の国の税務当局は、データ分析や機械学習テクノロジーにおける最近の急速な進歩を利用して、リスクプロファイルの作成、トレンド分析、潜在的な税務調査上の問題点の把握、より詳細な調査を行うための相対的にリスクの高い問題特定などを行っています。例えば、アイルランド、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、シンガポールなどの国の行政機関は、ソーシャルネットワークの分析を行い、ネットワークに接続された個人を集めて簡単に可視化されたネットワークを構築し、彼らのリスクを採点しています。
とあり,連載3回目では
OECDの税務行政フォーラムによれば、各国の税務当局のデジタル技術は進化しているとされています。概括的な監視モデルは、より精緻な監視モデルや、過去のデータから学習してパターンを特定する監視のない機械学習技術に取って代わられつつあります。また、各国の税務行政機関は、不正確な納税申告や納税遅延などの問題を予想するための方法を統合するとともに、納税者の行動様式に影響を与えるための規範的な方法も統合しています。
といっている。税務職員が事後的に臨場調査するというモデルと,だいぶ違う。また,企業用のお話だけに,3月の個人用確定申告の年中行事とは,かなり距離がある。

でも,こういう環境になっていることの認識が,納税者の利便性向上とか,適正公平な課税の実現とかを考えるうえで,大事だろう。

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